ALOHA!!!
湯浅康則の不動産リポート第2弾は浦安南町にある物件です。まずは現地の写真(右)をご覧下さい、ここは坪単価14万円台と格安でしかも角地という立地にも関わらず、ずっと売れずに残っている土地なのですが一体どこに原因があるのでしょう…?
私が考える原因は2つ。
【原因1】現況の見た目の悪さ
【原因2】東西に家が迫っている
湯浅康則の不動産リポート第2弾は浦安南町にある物件です。まずは現地の写真(右)をご覧下さい、ここは坪単価14万円台と格安でしかも角地という立地にも関わらず、ずっと売れずに残っている土地なのですが一体どこに原因があるのでしょう…?
私が考える原因は2つ。
【原因1】現況の見た目の悪さ
【原因2】東西に家が迫っている

道路際を全て塀で囲い、中では畑をしています。これではこの土地の良さが全然見えてこないですよね。
角地であるにも関わらず閉鎖的に見え、しかも売り文句である角地(つまり好立地)を期待して現地を訪れた顧客には余計に悪く見えてしまいがちです。
…しかし本当に悪いのでしょうか?
角地で使いやすく、周辺は風が強いので東南の各家は逆に強風を防いでくれますし、角地であるにも関わらず、庭などのプライバシーも保ちやすい。 実はこの土地そんなに悪くは無いのですけどね…。
「でも、日当りは?」プランニングでカバーできますもの!
それでは前回同様この土地をケーススタディとしてプランニングしていきましょう!
- ・夫婦2人子供2人の4人家族
- ・車は3台(自家用車分2台・来客用1台)
- ・自転車2台
- ・まとまった収納(ウォークインタイプ)
- ・広々としたLDK(キッチンはオープンスペース)
- ・リビングとは別にくつろげる空間
- ・大きなテラス(ベランダ)
- ・螺旋階段
- ・夫婦の主寝室と子供室を2室(直結した収納)
- ・電化住宅
- ・プライベートガーデン
- ・建物と一体感のある駐車場
所在地 | 岡山市浦安南町 | 価格 | 600万円(坪単価 約14.89万円) |
|---|---|---|---|
敷地面積 | 133.13m²(40.27坪) | 用途地域 | 市街化調整区域 |
建蔽率 | 60% | 容積率 | 200% |
接道 | 北・西側共6M | 備考 | 公営上水道・LPG・中国電力・個別合併浄化槽・個別開発申請 |
今回も(力が入りすぎてしまい…汗)若干長文ですが、その分濃い〜内容となっておりますので是非最後までご覧下さい。
1.外観や内部をイメージ 前回同様、外観やリビングなどのイメージから入っていきます。「こんな感じかなあ…」と…。
前回でもご説明しましたが、このイメージが出来ないと私達設計士やデザイナーは良いプランが創れません!ですから一番重要な事なのです!
2.駐車スペースを取る まずは駐車スペースです。この土地の場合北側と西側がすべて道に接していますが、形状を考慮して奥行の取りやすい西側に駐車スペースを取ります。
西側接道部分の間口は8.5mありますので車1台分の幅が2.5mで計算しても3台分で間口7.5mですから並列でも十分取れますね(奥行きも5m程とっておきます)
建蔽率60%はですので、残りスペースの内建築可能面積は133.13m²*0.6=79.87m²となります。
すると建築可能な空間は<図2>のようになってまいります。
3.外部付帯設備・駐輪スペース等 続いて考えるのが電気温水器や外部給排水経路、駐輪スペース等の確保です。駐輪スペースは西側の駐車スペースに余裕があるのでその中に確保します。
電気温水器などの外部付帯設備ですが通常はあまり開口をとらない北や西に設置スペースを取るのですが、どちらも道路に面しているため景観が良くありません。今回は東側に取る事にします。
給排水などの配管経路は景観上問題ありませんので北側にとります、+前回と同じようにこの時点でモジュールの割付(91cmモジュール)もしておきます。そうすると<図3>のようになってきます。
4.階層のゾーニング ここから家本体のプランニング及びゾーニングです。まず、家族構成及びご要望、今までの経験上からある程度規模を想定します。
家族4人、プライベートスペース、共有スペース共にゆったり取りたいので約35〜40坪程度の構成を。建物の配置及び形については<図3>の建築可能な部分のどの辺りに配置すれば1階の日当りを確保できるかを軸に考えます。
敷地の真北方向が西に30度ぐらい傾いていますので、やはり東南の部分をできるだけ空けるように考えます。一般的な考え方なら『できるだけ庭をとらなければ!』と思ってしまいがちですが敷地がそれ程広くない場合、多少庭のスペースを広げてたとしてもそんなに雰囲気は変わりません、その上一番重要である建物のプランニングに大きく影響してしまいかねないのです。ですからここは思い切って必要最小限にし、建物に重点をおいた余裕のあるプランニングを検討します。
前回も申し上ましたとおり『日当りはプランニングでカバー!』です。
ただし庭を『小さくてもいーから、カッコ良くて落ち着ける空間に!』
そう、前向きに割り切ることが大事なんです!これがそのまま1階の大きさとなり、2階もこの時点ではまだ階層のゾーニングが出来ていませんので同じ大きさで設定しておきます。そうすると建物の配置及び外郭が<図4>のようになってきます。
ここからゾーニングに入っていきます。最初に考えるのが階層のゾーニングです。
まずLDKなんですが、ここも前回のケースと同じように比較的狭い土地ですし、庭もそれ程大きくないので日当りの良い2階に取る事にします。LDKは家族のみんなが集まる場所ですし、明るく空が近いほうが気持ち良いですからね。
次にキッチン以外の水まわりなんですが、これも前回と同じよう給水圧力を考慮して1階に配置します。各プライベートルームなんですが主寝室は1日のなかで昼間にそれほど使わない部屋なので1階に、子供室は明るくて目の届きやすい場所が良く、将来空き部屋になる可能性があるのでライフスタイルが変わっても使えるように2階LDKに隣接させました。
そして悩んでいたのが広いテラス(ベランダ)です。
最初は建蔽率を超えない程度に、駐車場の上にかぶせるような形で考えていたのですが、コストや景観、近隣のことがどうしてもひっかかっていました。
『そもそも広いテラスってどのくらいかな?』
こうなってくるとだれがみても広くて気持ちよくてプライバシーが保たれるものでないと・・・せめてこの建物ぐらい余分にスペースがあればなあ・・・。
『あっ!屋上がある!!!』
出てくる時ってこんなもんです。
屋上であればもともとあるスペースですから建物の規模を大きくすることもなく広くとれますのでコストダウンもできますしなんといっても景観が良い!!!
近隣には高い建物はほとんどなくプライバシーも保たれ、浦安の田園風景や飛行場、天気の良い日は金甲山から常山までパノラマでみえます!これは最高のロケーションです!!!
これで階層のゾーニングができました。これに各部屋・スペースごとに収納や階段スペースを加えると<図5>のようになってまいります。
5.各階のゾーニング及び間取りの取り方
次に各階のゾーニング及び間取りの取り方です。ここからが今回私が一番悩んだとこなんですが…。
冒頭の要望の中に『リビング以外にくつろげる空間』と言うのがあるのですが、自分で出した要望であるにも関わらずまたまた悩みの種に…。
『リビング以外にもう一つリビング?』
『シアタールームは?』
『リビングのなかにタタミコーナー…』
『そもそも家族の中のだれの要望なんやろ!?』
『シアタールームは?』
『リビングのなかにタタミコーナー…』
『そもそも家族の中のだれの要望なんやろ!?』
浅はかです…そこまで考えていなかった!で、悩んだあげく出た答えが、
『リビング以外の所用室を全部くつろげる空間にしよか!!!』
単純でしょう(苦笑)だって誰の要望かも考えていなかったんですからしょうがない…それにこれは誰にでもある要望ですから!!!
でもこの単純さが以外に良い方向に向いてくれるんです!まず階段及びエントランスの位置ですが、角地故どちらの道路からもアクセスしやすい位置が良いので北西角に配置し、階段はエントランス、家族で一番良く使用するLDKまで距離ができるだけ近い位置が良いでしょう。
そしてこの段階ではエントランスの広さを少し余裕をもってとっておきます。これは後々の面積の調整のしやすさもあるのですが1番の理由は収納をとることです。階段の形は要望の通り螺旋階段ですが大きさとしては半径で80cm程度あったほうが”ゆったりと”上がれます。そうすると<図6>のようになります。
次に1階のゾーニングに入ります。<図5>にあるよう浴室・洗面室・W/C・主寝室・収納の配置を考えていきます。
浴室・洗面室・W/Cについてですが、あまり人目にはつかず尚且つ明るい場所で温水器を東側に配置しますのでそこから近い位置に配置し、ここもみんながくつろげる空間にしたかったのでその更に東側へプライベートガーデンを設けることにします。
弊社モデルハウスもそうですが、お風呂から庭が眺められるって気持ちいーですからね!っでもう全部ひとつのスペースにまとめてしまいます!ひとつひとつ区切ってしまうと狭いスペースですが区切らずひとつにしてしまえばアクセスも1ヶ所ですみ、なんといっても広く感じます!
主寝室についてですがリビングからの距離を考えて、階段を下りてすぐの位置が良いでしょう。ここも寝室としての機能だけではなく、プライベート空間としての活用も考慮し、東南の空いてるスペースを主寝室のプライベートガーデンに…。
っで、ここで思ったのが『それだけじゃあな…、ただ庭が見えるだけでは…』 ほんとにくつろげる空間にはならないですよね。
そこでひらめいたのがウッドストーブです!うちのモデルハウスにも設置しており、ちょうど今の時期(2月)使用しているのですがなにせ暖かいし癒される!私も先日何もせずストーブの前で2時間程ボーっとしてしまいました!
冬限定にはなるのですが、これなら寒くてイヤな冬が待ち遠しくなりますよね!もちろんお客様のご予算ありきなのですが、この時点ではプランニングですし夢があった方がいーじゃないですか。なぜなら私達は『夢のマイホーム』を売る仕事なんですから!これでご夫婦だけでくつろげる空間となりました!
最後に空いているスペースに収納を使い勝手など考えながら配置します。そうしてできたものが<図7>となります。
次に2階です。
2階は<図6>にあるようLDK・子供室2室・W/C・家事室・収納です。これだけのスペースを取ろうとすると現在の外郭では少々狭すぎるように思えます。もうちょっと欲しい所ですね…。
面積は当初の予定よりちょっと小さめで外郭をつくっていましたので、ここは思いきって2階を広げましょう!ここの場合比較的東西に長い計画で来ましたのでやはり東西に広げた方が間取りも取り易く、外観もスッキリするでしょうね。結果オーバーハングで1階よりちょっと飛び出る形になりますので、<図8>のように2階の外郭が若干変わってきます。
LDKはやはり家族が一番集まる部屋ですので日当りが常に良く、広くスペースがとりやすい場所が良いので南側全面に配置します。子供室は北側の田園風景が見える場所に配置します。
北側は一見日当りが悪いように思われますが、広い道路が接しておりその奥には田園が広がっています、その上2階ですから結構明るいのです。 また直射でなく柔らかい採光が取れますから落ち着いた環境となり勉強もはかどるでしょう。
あとはW/C・家事室を使いやすく、なおかつLDKからあまり気にならない場所に配置します。 ルーフテラスについては階段スペースとテラスへ出入するためのちょっとしたホールがあればよいでしょう。…っでここで思ったのが
『なんか展望風呂があったら気持ちいーだろーなあ…』
っと言うことでアウトドアバスもつけてしまいましょう!
『緑もあったほうがより癒されるし庭代わりにもなるなあ・・・』
屋根緑化もしちゃいましょう!そうすれば夏の日差しを和らげ、室内の温度上昇を防ぎます!エコスピリッツです! (※このエコについてはCASBEEと言う評価システムがあるのですが、ここで話すと長くなるのでまたの機会に…)
これもお客様のご予算によりますが夢が広がるじゃあないですか!たとえ予算が無く今は出来なくても将来はやりたい! 夢のマイホームを手に入れた更に先にある夢!これが大事なのです! 建てたらローンを払っていくだけなんて寂しいですからね!
そうしてできたものが<図9>になります。これでほぼプランニングはできました。
6.開口部の配置 最後は窓や入口などの開口部です。
これは前回にもお伝えしたように構造の耐震性にも非常に関わってきますので注意しつつロケーションを考慮して配置しましょう!LDKは南側及びリビングの東側に開口を配置しできるだけ採光を取り込みます。
階段の北側にも大きな開口を設け、田園風景がダイニングから見えるようにし、外側には中がみえにくいようにガラリを設置します。子供室も北側の田園風景を部屋にとりこむように…春先から稲を植えたあとは視界一面緑で、夏には水を張るので涼しいです!そして主寝室は東側にプライベートガーデンを望むように配置、洗面・浴室もプライベートガーデンが見えるように全面開口です!
もうこの時点で自分の家のように夢が広がっていました!プランニングしているときはいつもこうです…。
これで平面プランの出来上がりです。
7.外観パース・内観パース
最後にあらかじめイメージしていた外観や内観を実際のパースにします。
北側についてはシンプルに階段の外に設置したガラリをポイントにします。西側は駐車場なのですが、駐車場の南側の和風の家が見えてしまうとどうしても雰囲気が変わってしまう…全面目隠しにしてしまいました。費用は掛かりますがそれだけの事でガラッっと雰囲気を変えてしまいますから。
南側及び東側ですが浴室の全面開口とプライベートガーデンのプライバシーを保ちたいので目線が気にならない高さで壁を配置します。
これだけで一体感がでるんですね。
以上をふまえて完成したものが<外観パース1><外観パース2>です。
内部の床については主寝室を絨毯にしてその他は無垢のフロアーで色は濃いもので高級感をだします。壁・天井などは絵画や工芸品などを飾りやすいように白で統一します。建具については前回と同じように天井までのオーダーメイドです。
そうしてできたものが下の各パースです。
・建物規模
| 1階床面積 | 51.34m² |
|---|---|
| 2階床面積 | 61.27m² |
| 3階床面積 | 4.96m² |
| テラス面積 | 28.98m² |
| 総施工床面積 | 146.55m² (44.33坪) |
・建物本体内部仕様
| 床 | 無垢フロアー張り |
|---|---|
| 壁 | ビニールクロス張り |
| 天井 | ビニールクロス張り |
| 内部ドアー | オーダメイド製2.5m高 |
| 住宅設備機器 | 別紙プランシート(住宅設備機器プランシートをダウンロードする) |
| 24H換気 | ダイケンエアスマート |
| 電化住宅 | クボタセミオート電気温水器 |
| ウッドストーブ | 輸入製品 |
・建物本体外部仕様
| 基礎(ベタ基礎) | モルタル刷毛引き |
|---|---|
| 外壁 | 防火サイディング張り(一部アルミ製ガラリ) |
| 屋根 | ガルバニュウム鋼板葺き |
| サッシ | アルミ製 |
| ガラス | ペアガラス |
| 縦樋 | 塩ビ製 |
| 屋根樋(箱樋) | ガルバニュウム折曲加工 |
| 軒裏 | 杉板張りの上塗装仕上げ |
| 水切 | ガルバニュウム折曲加工 |
これですべてのプランニングが完成しました!
私達つくり手にとって大切なのは『自分でそこに住んでみる』事です。自分が住んでみて楽しくないと、実際に住むお客様が楽しいわけがない!そんな思いでこの不動産リポートを綴っています。
まだまだ色々な工夫やデザインのアイデア・手法はありますが、このレポートはその一例として皆様の参考にしていただければと思います。今回は『見た目の悪い土地を工夫&デザインで生まれ変わらせる』というテーマでやってみました。
最後まで読んでいただきありがとうございました、今後ともまだまだ続けていきますので次回を楽しみにしていてくださいね!
MAHALO!!!






















